ザ・ウィークエンド最後の作品?新作Hurry Up Tomorrowを聴いた

Disc Review

The Weeknd Hurry Up Tommorrow

ザ・ウィークエンド、新作Hurry Up Tomorrowを聴いた|DJPLUMアドベンチャータイムズ

ハリーアップトゥモーロー 明日へ急げ

2020年から続く壮大な3部作『After Hours』『Dawn FM』『Hurry Up Tomorrow』〜最終章となる『Hurry Up Tomorrow』がついにリリースされた。

全22曲/1時間20分に及ぶ本アルバムは、まるで1本の映画を観ているような壮大なスケール感とコンセプトが際立つ仕上がりで、キャリアの集大成としてふさわしい壮大なフィナーレを飾る1枚となっている。

なお、米ロサンゼルスで発生した山火事の影響を考慮し、アルバムのリリースが延期になっただけではなく、ローズ・ボウルで開催予定だったリリースライブも中止となっている。

the weekend Sao Paulo Anitta
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キャリアを統括するサウンド

JusticeAnittaFlorence + the MachineTravis ScottPlayboi Carti、そしてLana Del Reyといった豪華なアーティストが本作に参加。

サウンド面では、シンセベースを主体とした『Dawn FM』のノスタルジックでレトロなサウンドとデビュー作『House of Balloons』のメランコリックなR&Bの要素が随所に散りばめられており、これまでのウィークエンドの作品を継承させたサウンドが本アルバムに凝縮されている。

Hurry Up Tomorrow おすすめトラック

Sao Paulo

先行シングルとしてリリースされたレイヴファンクを取り入れた異色の一曲。前後にインタールードを挟むことで本楽曲をより際立たせ、アルバム内でもひと際目立つ存在となっている。

『out of time』 や『Dancing in the Flames』のようなSynthWaveを想起させるノスタルジックなサウンドを好むファンにとっては賛否を呼びそうな実験的なサウンドになっている点がまた面白いので必聴すべき楽曲

Open Heart

シンセウェーブらしい深みのあるベースとレトロなシンセの音色が印象的な楽曲で、The Weekndが近年取り入れているノスタルジックな響きが際立つ一曲。

niagara falls

Open Heartと同じくシンセウェーブのフレーバーを散りばめた哀愁感全開のトラックがお見事。フランク・オーシャンを彷彿とさせるようなボイスサンプルとシンセの響きのシンフォニーが絶妙。

前作『Dawn FM』のサウンドが好みのファンなら一聴で虜になってしまうこと間違いなし。また、楽曲の終盤から『Take Me Back To LA』に向けて変化する楽曲展開も魅力的だ。

Hurry Up Tomorrow

アルバムのラストを飾る壮大なバラードナンバー。楽曲がエンドロに向かうにつれて『House of Balloons』のオープナー「High For This」へつながるようにフェードアウトしていくコアなファンに向けのサプライズが用意されているのでファンなら見逃せない楽曲に仕上がっている。

仮に今作がThe Weeknd名義での最後のアルバムになるなら本楽曲は、The Weekndの物語を締めくくるにふさわしい一曲になることは間違いないだろう

懐かしさと哀愁が交差するメロディ

今作でも、シンセウェーブ/シティーポップによるサウンドアプローチは健在だ。おすすめトラックとして既に触れた楽曲以外にも,『niagara falls』『Take Me Back To LA』『Give Me Mercy』といった楽曲で80s,90sフレーバーが散りばめられているので要チェックだ。

初期作に通じるメランコリックでダークなサウンド

ハウスオブバルーンやキスランド、 ビューティー・ビハインド・ザ・マッドネスのようなサウンドも本作では健全。Playboi Cartiを客演として招いた『Timeless』やLana Del Reyとの掛け合いが恐ろ美しい『The Abyss』など、初期作からファンというコア層に刺さるサウンドも収録されている。

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Hurry Up Tommorrowは、The Weekndの最高傑作となるか?

過去と未来を繋ぐタイムレスな作品となっている本作は、80sシンセ、ダークでメランコリックなR&B、クラブアンセム、エモーショナルなバラードなど多彩な要素が詰め込まれている。

本作のリリースにあたって、巷では最後の作品になるのでは?と囁かれているが。もし本作がThe Weeknd名義でのラストアルバムだとすれば、彼のキャリアを総括するにふさわしい作品と言えるだろう。

THE WEEKEND HURRY UP TOMORROW 収録楽曲

01.Wake Me Up(Ft. Justice)
02. Cry For Me
03. I Can’t Fucking Sing
04. São Paulo(Ft. Anitta)
05. Until We’re Skin & Bones
06. Baptized In Fear
07. Open Hearts
08. Opening Night
09. Reflections Laughing(Ft. Florence + the Machine & Travis Scott)
10. Enjoy The Show (Ft. Future)
11. Given Up On Me
12. I Can’t Wait To Get There
13. Timeless (Ft. Playboi Carti)
14. Niagara Falls
15. Take Me Back To LA
16. Big Sleep (Ft. Giorgio Moroder)
17. Give Me Mercy
18. Drive
19. The Abyss(Ft. Lana Del Rey)
20. Red Terror
21. Without a Warning
22. Hurry Up Tomorrow
*おすすめ楽曲は太文字で記載

最後に、本作の気になる点や来日について

先行シングル『Dancing in the Flames』が収録されていないことにがっかりしたファンも多いのではないか。記憶している限りだと本作のオープナーとして収録されているのが『Dancing in the Flames』だった気がしたがアルバムのリリースの延期に伴い曲目が変更になっている。

高揚感を煽るアルペジオとレトロなベースライン、そして透明感のあるウィークエンドの歌声が印象的な楽曲で、Hurry Up Tommorrow収録楽曲の中でも一番系統が三部作シリーズ(アフター・アワーズ/ドーンFM)に近いシングルだった。

既にSNSでは一際目立った存在のSão Pauloの代わりに収録されるべき楽曲として挙げられているほど騒がしているがなぜ本楽曲がアルバムから外れてしまったのか、謎のままだが。もし仮に次回作ができるのであればそのアルバムのオープナーして収録されているに違いない。

The Weekndの来日について
2018年12月以来、日本でのライブは実現していない。三部作の最終章となる本作を引っ提げて、サマソニ2025やフジロック2025のヘッドライナーとしてぜひ来日してほしい。
ザ・ウィークエンドの3部作にして最終作ハリーアップトゥモーロー
参照元
ユニバーサルミュージックジャパン・ザウィークエンド公式ページ

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