アリアナ・グランデ、新作『brighter days ahead 』楽曲解説

Disc Review

アリアナ・グランデ、『eternal sunshine deluxe: brighter days ahead』徹底解説|“別れ”と“再生”を描いたキャリア史上 最高傑作

全米・全英のアルバムチャートで2週連続1位を獲得した名盤『eternal sunshine』に、新たに6曲の新曲を追加したエクステンドバージョンとなる
『eternal sunshine deluxe: brighter days ahead』がリリース
Ariana Grande、eternal sunshine deluxe: brighter days ahead 解説

通常盤『eternal sunshine』をおさらい

タイトル通り、ジム・キャリー主演の映画『エターナル・サンシャイン』からインスパイアされたであろう本作は、“別れ”“自己再生”をテーマに展開されている。
アルバムの冒頭では、優しく語りかけるようなイントロから始まり、その後インタールードを挟みながら、アリアナの内面がリアルに浮き彫りになっていく。

マライア・キャリーをフューチャしたバージョンを公開し話題となった先行シングル「yes, and?」ではハウス寄りのサウンドを魅せたが、そのほかの楽曲についてはR&Bリスナー向けの楽曲で構成されている。例えば、ゴスペル調の「true story」、BrandyMonicaによる90年代の名曲『The Boy Is Mine』を現代風に再構築したような「the boy is mine」など、印象的なトラックを収録。R&Bに原点復帰したキャリア最高傑作。

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本編の作風を継承した“B面”立ち位置となる作品

『eternal sunshine deluxe: brighter days ahead』は、リミックスやライブ音源などを詰め込んだボーナス盤とは違う。本作は本編のエッセンスを引き継いだ“B面”という印象。全体の音像は90年代~2000年代のR&Bを意識しており、歌姫・アリアナグランデのヴォーカルを最大限に引き立てたミニマルな構成。

eternal sunshine deluxe: brighter days ahead 楽曲解説

本作の全体的な印象としては、R&Bリスナーに刺さる聴き応えのある楽曲が詰まったB面的立ち位置の一枚

楽曲で使われている主張しすぎない音色の影響やバックコーラスのハモリが絶妙にアリアナにハマっており、それらがアリアナの歌声がより一層際立たせている。歌姫としての実力が堪能できる傑作だ。

収録楽曲の中でも特におすすめなのが「Twilight zone」切なさ美しさが交差する1曲で、一聴で虜になってしまうような魅力溢れる楽曲に仕上がっている。

その他収録トラックについて触れると、BPM早めの曲調でありながら先行シングル「yes, and?」で魅せたダンスミュージックではなく、あくまでR&Bに寄せた繊細なアプローチによる「warm」本作の路線を象徴するようなR&Bリスナーのツボを突くようなクラブテイスト「dandelion」、そしてアリアナの澄んだ歌声美しいコーラスの響き心に残る「Hampstead」は、アルバムのラストにぴったりな感動的な仕上がりになっている。

eternal sunshineを映像化。ショートフィルム『brighter days ahead』も見逃すな

デラックス盤のリリースにあわせて公開されたショートフィルム『brighter days ahead』は、“記憶を消していく老いたアリアナ”というSF的な設定。
ブラックミラーを彷彿とさせる映像と、過去の記憶を消していくという点において“エターナル・サンシャイン”からの影響が随所に感じられる。

尚、デラックスエディションとして新たにリリースされた新曲だけではなく通常盤からの楽曲も挿入歌として使用されているので本アルバムと合わせてショートフィルムもチェックしておきたい。映像と本作に楽曲が織りなす没入感が素晴らしく、後日別にて記事で深掘り予定なので本記事と合わせてチェックして頂きたい!

デラックスエディションのキーワードは“別れのあとに訪れる光”

デラックス盤という枠を超えたクオリティで届けられた『eternal sunshine deluxe: brighter days ahead』。アリアナ・グランデのR&Bシンガーとしての表現力と圧倒的な歌唱力が際立つ作品。別れの痛みを抱きしめたあと、少しだけ前を向いてみたくなる。そんな作品に仕上がっている。

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