ひと足先にクリスマスを体験した!!7年ぶりとなるマライア・キャリー日本公演 ライブレビュー
MARIAH CAREY、2025年来日公演 5つのハイライト
歌姫 マライア・キャリー(Mariah Carey) が、ついに日本のステージに戻ってきた。2025年10月28日、兵庫・ジーライオンアリーナ神戸を皮切りにスタートした来日公演 『THE CELEBRATION OF MIMI 2025 JAPAN』。
その中日となる Kアリーナ横浜公演(11月1日) はチケットがソールドアウト。今回のツアーで大きな印象を持ったのデビュー36年を経っても廃れないマライアの人気。会場には、マライアのバービー人形を手にした子どもたちから、デビュー当時から彼女と共に歳を重ねてきたファンまで幅広い層が会場に集まっていた。
本ツアーは、2005年のR&Bシーンを象徴する傑作アルバム『The Emancipation of Mimi』の20周年を記念したワールドツアー。最新作『Here For It All』を携えた構成で、2024年ラスベガスのレジデンシー公演をベースにした“4幕構成”のドラマチックなステージだ。
本記事では“4幕構成”によるマライアキャリー2025年来日公演を“4つのハイライト”にまとめレビューする。

第1幕:新時代の幕開け、「Type Dangerous」で始まる現代のマライア
オープニングを飾ったのは、最新アルバム『Here For It All』からの「Type Dangerous」。重厚なビートに乗せたマライアの低音ヴォーカルが響き、現代的なR&Bサウンドでライブが幕を開ける。
続く二曲目で早々に「Emotions」を披露。ライブの序盤にふさわしい高揚感あふれる展開で、キャリアを象徴するキラーチューンをいきなり繰り出す強気のセットは流石のディーパぷりだった。
高揚感から安らぎへ展開を変えるように「Touch My Body」「Dreamlover」といった楽曲が並び、懐かしさと安堵が交錯する時間に。過去と現在を自在に行き来するようなステージ構成が、今回のツアーの魅力を象徴していた。

第2幕:バラードで魅せた“永遠の歌姫”の真骨頂
スクリーンに自伝『The Meaning of Mariah Carey』の映像が流れ、静かに始まった「Hero」。マライアの伸びやかな声がホールいっぱいに響き、会場中が息を呑むように聴き入る。
続いて披露された「Without You」では、原曲の叙情を超える深みある表現でオーディエンスを包み込んだ。マライアのキャリアを象徴するバラードアンセムが立て続けに披露される中空気を一変させたのは、ウータン・クランのオール・ダーティー・バスタードの声が響いた瞬間。「Fantasy(Bad Boy Remix)」でヒップホップ・マナーを取り込みながら、「Honey」から「Heartbreaker」へとマッシュアップしていく構成は圧巻。
白Tとデニム姿のダンサーたちが、90年代MTV黄金期を再現したかのような演出を見せた。
第3幕:最新作『Here For It All』が放つ新章のグルーヴ
「新しいアルバムからの曲を披露していい?」と語りかけ、始まったのは「In Your Feelings」「Sugar Sweet」。
透明感あるシンセとビートが交錯するサウンドに、観客は静かに体を揺らす。
そしてこの第3幕で、印象に残ったのが「#Beautiful」。ミゲルのパートを務めた音楽ディレクターダニエル・ムーアがピアノでサポートし、原曲以上にライブ感溢れるパフォーマンスを披露。マライアの包み込むような歌声に、客席からはため息と歓声が入り混じった。

第4幕:クライマックスは「We Belong Together」から「All I Want For Christmas Is You」へ
ラストセクションは「Obsessed」から一気にギアを上げ、
「It’s Like That」で2000年代の“MIMI”時代を象徴するダンサブルな展開へ。
そしてアンコール前、同じく「We Belong Together」。
観客が静まり返る中、マライアの一語一句が会場に沁み渡る。
続く「I’ll Be Lovin’ U Long Time」ではバンドメンバー紹介を交え、ライブの余韻を深めた。
アンコールでは白いミニドレス姿で登場し、雪のような紙吹雪が舞う中、
定番の「All I Want For Christmas Is You」を披露。時期的に少し早い気がしていたので本楽曲が披露されるか?少し不安でありながらであったもの披露されると、Kアリーナが一夜にしてクリスマスムードに包まれ、オーディエンスは総立ちでマライアの歌声に酔いしれた。

現在進行形のポップアイコン・マライアが魅せたディーヴァとしての風格
約90分のステージはあっという間に終幕。今回のマライアはダンスよりも歌で勝負し、圧倒的なヴォーカルで“生きるレジェンド”の存在感を示した。『Vision of Love』『Butterfly』『One Sweet Day』といった名曲が聴けなかったのは惜しいが、それすらも「まだマライアを聴きたい」という渇望を残す演出のようだった。
マライアの音楽はもはや懐古ではなく、今を更新し続けるディーバとしての希望の象徴。『The Celebration of Mimi 2025 Japan』は、3公演ほぼソールドアウト。チケットの売り上げだけではなく、マライアのツアーシャツやグッズを見に纏うファンの姿から感じ取ったのは、マライア・キャリーという存在が“過去のポップアイコン”ではなく、“現在もポップアイコン”であることだった。

マライアキャリー 2025年来日公演 11.1 Kアリーナ横浜 セットリスト
第一幕
01. Type Dangerous
02. Emotions
03. Touch My Body
04. Dreamlover
—Dreamlover (Reprise)
第二幕
05. Hero
06. Without You (Badfinger cover)
07. Fantasy (Bad Boy Fantasy)
08. Honey / Heartbreaker (Mashup)
09. I’m That Chick
10. My All
11. Always Be My Baby
第三幕
12. #Beautiful (with Daniel Moore II)
13. In Your Feelings
14. Sugar Sweet
15. I Know What You Want (Busta Rhymes cover)
16. Say Somethin’
17. Your Girl
18. Shake It Off
第四幕
19. Obsessed
20. It’s Like That
21. Don’t Forget About Us
22. We Belong Together
—- We Belong Together (Remix)
—- I’ll Be Lovin’ U Long Time (Band introductions)
Encore:
23. All I Want for Christmas Is You
—- All I Want for Christmas Is You (Reprise)



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