The Last Dinner Party、2ndアルバム『From The Pyre』
前作の美学・シアトリカルな世界観を継承しながらも、より壮大に進化した“燃ゆる晩餐”
UKロックシーンで最も注目を集めるバンド、The Last Dinner Party(ザ・ラスト・ディナーパーティー)が、待望のセカンドアルバム『From The Pyre』をリリースした。
前作『Prelude To Ecstasy』で確立したシアトリカルな世界観をさらに押し広げ、
まるで一夜の舞台を観るような構成でリスナーを魅了する一枚となっている。

The Last Dinner Party From The Pyre アルバム概要
アルバムタイトル: From The Pyre
アーティスト: The Last Dinner Party
リリース: 2025年
収録曲: 全10曲(日本盤はボーナストラック4曲追加)
Agnus Dei / アニュス・デイ
Count The Ways / カウント・ザ・ウェイズ
Second Best / セカンド・ベスト
This Is The Killer Speaking / ディス・イズ・ザ・キラー・スピーキング
Rifle / ライフル
Woman Is A Tree / ウーマン・イズ・ア・ツリー
I Hold Your Anger / アイ・ホールド・ユア・アンガー
Sail Away / セイル・アウェイ
The Scythe / ザ・サイズ
Inferno / インフェルノ
The Last Dinner Party From The Pyre おすすめトラック
1. Agnus Dei / アニュス・デイ
オープニングから古典的なギターリフが光る、ラストディナーパーティーらしい荘厳な幕開け。
2. Count The Ways/ カウント・ザ・ウェイズ
先日MVもリリースされた注目トラック。聞いているうちに病みつきになる仕上がり
3. Second Best / セカンド・ベスト
This Is The Killer Speaking と同じくアルバムの中心格を支えるリードトラック。
4. This Is The Killer Speaking / ディス・イズ・ザ・キラー・スピーキング
本作で一番のおすすめトラック。前作の世界観をそのまま引き継いだThe Last Dinner Partyらしい新たなキラーアンセム。
5. Rifle / ライフル
ライブでの盛り上がりが期待できそうな一曲。
8. Sail Away / セイル・アウェイ
終盤から展開される聖歌隊によるクワイヤーなコーラスが圧巻。荘厳さとドラマ性が同居する代表的トラック。
9. The Scythe / ザ・サイズ
冒頭で感じるのは、前作を彷彿とさせるメロディラインと音の厚み。聴き馴染みがありながらも新鮮な印象を残す仕上がりの楽曲だ。

The Last Dinner Party From The Pyre ディスクレビュー
燃え上がる芸術性と広がるシアトリカルな世界観
『From The Pyre』は、まさに前作『Prelude To Ecstasy』の“第二幕”と呼ぶにふさわしい。「This Is The Killer Speaking」や「The Scythe」などのイントロには、
どこか既視感を覚えるメロディがあり、バンドの原点を感じさせる。
しかし、ただの続編ではなく、より壮大でシネマティックなスケールに進化している。
近年、ポップシーンで盛り上がりを魅せているシアトリカルな世界でいうと
ザ・1975が前回のツアーでシアトリカルな演出を全面に押し出し、テイラー・スウィフトの新作では、ポップミュージックとシアトリカルな要素が見事に融合していた。
その流れの火付け役こそ、チャペル・ローンとラストディナーパーティーだ。
彼女たちは演劇的でありながらも、どこまでもポップでエモーショナルな音像を作り出す稀有な存在だ。
全体の収録数は10曲とコンパクトながら、構成は非常に緻密。
アルバム前半のリード曲「Second Best」「This Is The Killer Speaking」で物語を牽引し、終盤の「Sail Away」「The Scythe」「Inferno」へと向かう流れは圧巻のドラマ性を誇る。聴き終えた後、まるで壮大な演劇舞台を観終わったような充足感が残る。

The Last Dinner Party、2026年来日公演に向けて
『From The Pyre』は、ラストディナーパーティーらしさを保ちながらも、
より深く、より濃密に進化したアルバムだ。
前作の延長線上にありながら、確実に次のステージへと進んでいる。
本作を引っ提げての来日公演が実現すれば、
彼女たちの真価をライブで体感できる貴重な機会になるだろう。
次回作では、さらにどんな新しい世界を描くのか――
その“次の晩餐”を楽しみに待ちたい。

The Last Dinner Party 公式サイト
https://www.universal-music.co.jp/the-last-dinner-party/



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