映像と音の未来を切り拓く!15年ぶりのシリーズ最新作|映画トロン:アレス 感想
『トロン:アレス』は映画館、それもIMAXで観るべき作品として強くお勧めしたい。
冒頭から圧倒されるのは、映像の深度と没入感。ライトサイクルが放つ光の軌跡が摩天楼を走り抜ける瞬間、まるでスクリーンの中に自分が吸い込まれるような没入感を得られる。
序盤20分で“これは映像革命だ”と確信した。仮想空間(グリッド)内の映像美だけでなく、現実世界の夜景描写も息をのむほど美しく、青と赤のコントラストで構築される世界はまさに現代版トロン。ディスクバトルや空中戦の表現も格段に進化し、前作『レガシー』よりアクションシーンの映像美が映えていた。
ライトサイクルが放つ光の壁とナイン・インチ・ネイルズの重低音がぶつかり合うあの瞬間はまさに圧巻で、自宅のテレビでは到底再現できない次元の衝撃だった

前作『トロンレガシー』を超える映像体験!!“AI時代のトロン”
今作では、82年のオリジナル『トロン』から続くテーマ──人間とプログラム(AI)の関係を現代的に再構築している。主人公アレスはAIでありながら、人間的な感情を理解しようとする存在。
特に印象的なのは、アレスがデペッシュ・モードへの愛情を言語化できないシーン。
本作の中でも特に印象的なのは、“AIにはない人間的な感情”を見事に描き出したシーンでプログラムである存在が、人間らしい感情を見せる瞬間でもある。また、アレスが指令に背いて負傷したプログラムを救おうとする描写やケヴィン・フリンとの会話で“限られた命”について触れる場面など、トロン:アレスは「テクノロジーの進化によってAIが持ち得る人間的な感情」というテーマを、より哲学的かつ感情的に掘り下げた作品のように思えた。

トロン、印象的なネオンカラー“赤”と“青”の世界観が示すもの
トロンシリーズを貫くビジュアルテーマ*「赤=プログラム、青=ユーザー」は、今作でも継承されている。アレスが操るライトサイクルやディスクが赤いネオン色で輝く序盤から中盤は、“プログラムとしてのネオンカラー”を象徴している。
*これまで作品から「赤=悪、青=善」だと推測していた。
物語後半でグリッドから現代へ再転送されたアレスは、ネオンカラーを赤から青へ(プログラムから人間へ)転換させる瞬間は、飛び肌もので印象的だった。
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ナイン・インチ・ネイルズが生み出す“AI時代のトロンサウンド”
音楽面では、前作『レガシー』でダフト・パンクが築いた世界観を継承しつつ、ナイン・インチ・ネイルズ(NIN)がよりダークでインダストリアルな音像に進化させている。
重低音の効いたキック、鋭いベース、そして静寂と轟音を行き来する緊張感。
NINのトレント・レズナーとアッティカス・ロスが手がけたスコアは、
まさに「AI時代に突入した現代版トロン」。
とくにアレスがグリッドを走るライトサイクルのシーンでは、電子音が脈打つように動き、まるで映像と音が一体化した生命体のようだ。「NIN版の長編ミュージックビデオ」と言いたくなるほど、映像と音が完璧に融合している。

ファン感涙間違いなし!トロン:アレスに散りばめれたこれまでの『トロン』ネタ
『トロン:アレス』最大の魅力のひとつが、これまでのシリーズへの敬意を込めたオマージュとリスペクトだ。
アレスが80年代のグリッド世界に逆転送される場面では、初期『トロン』の世界観を完全再現。ライトサイクルやディジェットガイドが当時のデザインのまま登場し、フリンが激突した壁の穴まで残されているという細かさに思わず唸る。
さらに、終盤ではサムとクオラの写真が映し出され、『レガシー』への敬意と次作への匂わせもはっきりと描かれている。そして、闇落ちしたジュリアン・ディリンジャーが新たなサーク(Sark)となった展開は、シリーズを通して観てきたファンにとっては飛び肌物のシーンだったに違いない。トロンアレスは、トロン愛が隅々まで宿っている“ファンのためのトロン集大成”と呼んでも過言ではない。

トロン:アレスはつまらない?賛否両論が分かれる新作トロン
一部の海外メディアでは低評価もあり、あまり期待しないでおこうと思ったわけだが実際に観てみるとその印象はまるで違う。映像、音楽、テーマ、すべてが緻密に練られており、これまでのシリーズを継承しつつも現代的にアップデートした傑作と断言できる。
映像表現と音楽の融合はシリーズ史上最高レベルで、これまでのシリーズネタも過去最高。
そして、何よりこれまでの中でも一番テーマが明確でわかりやすく、AIが“心”を学び、人間が“テクノロジー”に救われる物語を表しており80年代から続く“トロンという神話”を丁寧に継承している作品になっている。
トロン:アレス紹介動画 DJPLUM ADVENTURETIMES
最後に、『トロン:アレス』の感想について
IMAXで体験する革新的な映像美と臨場感溢れるサウンド体験はただ圧巻だった
来週は、久しぶりに3Dで本作を視聴して見ようと思う。




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