vampireweekend-Only God Was Above Us

Disc Review

Vampire Weekend-Only God Was Above Us

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ヴァンパイア・ウィークエンド オンリー・ゴッド・ワズ・アバブ・アス

vampireweekend | onlygodwasaboveus

インディー・ロックらしき実験的なサウンドを取り入れた良作

アフロポップに影響を受けたサウンドを特徴とし
2000年代インディー・ロックを代表するバンド
『Vampire Weekend』の5thアルバム『Only God Was Above Us』
桜咲く新年度2024年4月5日 (金) にリリースされた面白いのが本作は、インディー・ロックの金字塔である
1st『 Vampire Weekend』や3rd『Modern Vampires of City』
のようなキャッチーでライブ映えするサウンドはほぼ収録されておらず、
前作『father of the bride』のサウンドに近く
そして前作以上に、バンドとして楽器に敬意を表し、それらを充分に活かした
バンドサウンドが中心となって構成されたアルバムになっている
ギターベースドラムなどはもちろんのこと、それに加え
ストリングスやサックスなどの管楽器の音色を活かした曲作り
そして、Liveバンドとして魅せる演奏力を全面に押し出し制作されたのが本アルバムである。
そんなわけで、本アルバムの一番の聞き所は
『diane young』『Obvious Bicycle』『Giving Up the Gun』のような
エズラの見事の歌唱力ではなく
『Cousins』『Worship』『Walcott』のような
彼らのシンボルでもあるアフロポップでもない『インディー・バントとしての演奏力』である

昔やったことは興味ないんだ
常に新しいことをやり続けたいとバンドのフロントマンである
エズラがどこかしらのインタビューで発言していたのもあり
本作が、これまで以上に
バンドの演奏力を全面に押し出したアルバムとなったのが
なるべくしてなったのであり

また、本アルバムへの布石としてVampire Weekedのライブでは、
原曲と比較してやたら間奏が長かったり、
もはや楽器演奏だけのインストだけのパートがあったりなどがあり
ロスタムが抜けたのが関係しているのかな
ホントはバントとしての演奏力を大事にしたいのかな
など疑問があったのだが本作で、これらの謎が解けたわけだ
Vampire Weekendはインディーバントとして、
アルバム制作以外にもGigでも模範的なアティチュードをしており
New Drop.NewYorkを筆頭にボブ・ディランビートルズ
カバーをLiveでやってみたりする場面もバンド演奏好きなのかなと思う。


前フリが長くなってしまったが
5thアルバム『Only God Was Above Us』の収録楽曲の紹介としては
『Ice Cream Piano』から『Clasical』とシームレスな曲並びで始まり
『Clasical』に至っては、従来のVampire Weekendのサウンドらしい
アフロポップPopナンバーに仕上がっており
続いて、バンドとして魅せる演奏力の完成形の一つである
『the sufer』は、開始一分間のエズラの歌唱パートはなしで
インストのみで構成されている
ドラムのビートとベースの絡みから始まり
低音が響くピアノのフレーズが次第に動きを魅せることによって
曲の展開が始まっていくのだが、サビと言われるようなHookパートはなく
言うならば、楽器演奏のみのインストパートが本楽曲におけるHookパートであろう

高揚感を煽るストリングスであったり、低音がいい味のPianoのバッキングや
Pianoを追いかける形で弾かれるシンセ
そして、これらの空間を有効活用すべく吹かれる管楽器などの使い方は、ただただ脱帽です。。

アコギとディストーションの使い分けによって生まれる
音の緩急の差が激しくも穏やかな楽曲である『Capricorn』では楽器の味を殺さないよう、
引き立て役として添えられるエズラの歌唱力が素晴らしいとしか言いようがない

『Gen-x cops』は間違えなく本作のキラーチェーンであろう
曲の頭で鳴り響くディストーションギターのフレーズはもちろん

曲の要所要所で入ったり新たな動きを魅せる
ベースやピアノの展開の仕方であったり、
FXのコントラスト比が絶妙である
児童合唱隊のコーラスとエズラの歌唱パートの反響具合!!が、
印象的な楽曲『Marry Bone』では上記で触れたこと以外にも
ベース見事で香辛料的な役割を果たしており素晴らしいのだが
それ以外にも、マイケル・ジャクソンを想起させるような
グルーブがあるエズラの謎の掛け声が聞けるので
本アルバムにおける要チェック楽曲としておすすめしたい

ラストを飾る曲としてふさわしいナンバー『Hope』
Pianoが奏でる跳ねるようなメロディーラインともに
『Hope you let it go』というメッセージが繰り返される
シンプルではあるがメッセージ性の高いリリックと
多彩な音色を使って表現されるシンプルではないメロディー

I hope you let it go
Hope you let it go
The enemy’s invincible
I hope you let it go

Vampire Weekend-Hope
From『Only God Was Above Us』

最後になるが、本作はインディーズバンドとして
最高峰のVampire Weekendによる
ネクストフェイズに向けた意欲的作品であり
聴くたびに新たな発見がある良作。
NME、MIKIKI、ロッキンオンなどの音楽メディアが年度末に発表する
2024年度ベストアルバムの上位候補に値するアルバムであることは間違えないだろう

■『Vampire Weekend-Only God Was Above Us』

1. Ice Cream Piano ★おすすめトラック
2. Classical ★おすすめトラック
3. Capricorn★おすすめトラック
4. Connect
5. Prep-School Gangsters
6. The Surfer ★おすすめトラック
7. Gen-X Cops★おすすめトラック
8. Mary Boone★おすすめトラック
9. Pravda
10. Hope ★おすすめトラック
vampireweekend | onlygodwasaboveus

参照元
VampireWeekend・ソニーミュージックオフィシャルサイト

コメント

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