フジロック2025最終日レポート|Vampire Weekendが見せた新境地、新作『Only God Was Above Us』と共に音楽の可能性を広げた夜
「楽曲よし、歌唱よし、演奏力よし」優等生バンドVampire Weekend
フジロック最終日は親和性の高いアクトVampire Weekend(ヴァンパイア・ウィークエンド)。新作の音楽性からバンド編成を大きく変更、そして実験的なサウンドを取り入れた新作『Only God Was Above Us』を提げ3年ぶりにヘッドライナーとしてカムバック。
オープニングは“肩慣らし”?1st〜2nd収録曲からの懐かしいスタート
フジロック2025セットの幕開けは、1stからの「Mansard Roof」2ndからの「Holiday」といった初期の人気曲から。しかしこの2曲、どこか軽めで音の厚みに欠ける印象があった。それもそのはず、実はこの2曲は今回のセットの中ではハーサルのような“肩慣らし”のような位置付けで本当の意味でのスタートは次の曲からであった。

3曲目「Ice Cream Piano」で本編スタート、そして垂れ幕に隠れていた本来の大規模バンドメンバーが登場
本当の意味でのショーが始まったのは3曲目「Ice Cream Piano」から。
新作『Only God Was Above Us』の1曲目でもあるこの楽曲で、背後にバンドロゴ入りの巨大な幕が降下。その奥から現れたのは、ストリングスやピアノを含む大編成バンド。
ここでようやく、「これが今のVampire Weekendだ」と観客が実感する瞬間となった。
往年の名曲にも新たなアレンジが加わり、UnbelieversやStepが“再生”される
続くセットでは、「Unbelievers」「Step」といった3rdアルバム『Modern Vampire cites』インディーロックの象徴的な作品として評価された『Modern Vampire cites』、新たなアレンジで披露される。より洗練されたコード楽曲のメロディーやギターサウンドによって、これまでのVampire Weekendとは違う“新たなサウンド”へ再構築されていた。
異例の展開:中盤15分間のインスト・ジャムセッション
中盤に差しかかると、驚きの展開が訪れる。
歌物というよりはインスト色が強くなった「Sympathy」と「New Drop. New York」 (SBTRKTのカバーでエズラも参加)では約15〜20分にわたってインストゥルメンタルのジャムセッションが展開。ストリングスやサックスを軸にした幻想的なアンサンブルが続き、昨晩のVulfpeckやFred again..のように“歌を外した演奏の快楽”を前面に押し出す構成となっていた。
特に印象的だったのは、フロントマンのエズラがギターを置いてサックスを吹くシーン。
バンドとしての柔軟さ、そしてエズラのマルチな才能が際立った瞬間だった。

「Gen-X Cops」を皮切りに怒涛のアンセム曲連発が苗場を爆発させる
新作からの「Gen-X Cops」で会場のテンションが再び高まると、そこからは「Diane Young」「A-Punk」「Oxford Comma」といった往年のキラーアンセムを絶え間なく披露
キャッチーでポップ、でもどこかロックの芯を持ったサウンドで、グリーンステージはまるで祝祭の渦に。
終幕は『Only God Was Above Us』のラストナンバー「Hope」
最後の1曲は、新作のラストトラック「Hope」。演奏者たちが1人ずつステージを去っていき、最後に残ったのはエズラとバイオのみ。静かに響くベースラインが止まった瞬間、フジロック2025は幕を閉じた。

新作中心のセット&演奏力重視の構成に現れた“新たなVampire Weekend”
ヴァンパイア・ウィークエンド フジロック 2025 セットリストの大半は、新譜『Only God Was Above Us』で構成され、またバンド編成も大幅に変わり、歌ものバンドの枠を越えた“新体制のVampire Weekend”の進化を感じさせた1時間半だった。
これまでのフジロックとは違う、全く新しいVampire Weekendを見た。
そして何度でもヘッドライナーとして苗場に帰ってきて欲しい。そう思えるライブだった。





コメント